ベンチャー・キャピタルであるインクルージョン・ジャパン株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役:服部結花、以下インクルージョン・ジャパン)は、アジア圏を中心に、身体にフィットする義足で世界中に就業機会を創出する、フル3Dプリント義足ソリューションを提供するインスタリム株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:徳島泰)への出資を実施いたしました。
インクルージョン・ジャパンは、SDGs(持続可能な開発目標)の担い手としてベンチャー企業に注目しており、ICJ2号ファンドを通じて、SDGsの達成に寄与するベンチャー企業の株式への投資を進めています。投資先の事業を通じた社会・環境面のインパクトと経済的なリターンを両立させるため、投資先のESGマネジメントも重視し、よりよい社会の実現に向けた協働を目指しています。
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https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000064719.html
インスタリムの詳細
世界には義肢を必要とする切断者が全世界で4000万人いるとされており、そのうちの64%がLMICs(中低所得国)に属するとされています。一般に開発途上国の義肢装具市場はほぼ手付かずで開発されていませんが、インスタリムが事業を展開するフィリピンでは、義足市場だけでも182万人からなる約500億円の市場があるにも関わらず、義足普及率は6.6%程度に過ぎません。
従来の義肢装具製作は、アナログな職人技に依存した製造システムと言え、製作環境や人材教育を含めた複合的な要因による、構造的な「高コスト・低品質」な体質が発生しており、これが義足の普及率が低止まりするしかない原因となってきました。新たなテクノロジーの導入による製造システムの抜本的な刷新がない限り、持続的な義肢装具供給体制の構築は非常に困難であると言えます。
インスタリムは、オリジナルの義肢装具製作用3D-CAD+自動設計用AIアルゴリズム+専用3Dプリンタからなる、独自のデジタル義肢装具製作ソリューションを開発。これを用いて世界で最も低価格で高品質(日本で流通する一般的な義足と同程度の品質)な、「超低価格3Dプリント義足」を、フィリピンにおいて製造・販売する事業を進めており、すでに400名以上にこの義足を提供しています。
このような、全く新しいデジタル製造によって、これまで解決不可能であった義肢装具にまつわる問題を解決し、「誰もが義肢装具を手に入れられる社会」を構築し、少なくともフィリピンの障害者約63万人、インドの障害者約96万人の新たな就業と、これまで義足が無いが故に家に引きこもるしか術がなかった障害者を、貧困から脱出させることを目指しています。
代表取締役 服部結花のコメント
アジアでは、糖尿病や交通事故などが原因で、下肢を失う方が多くいらっしゃいます。そこで問題になるのが、自分の身体に合った義足が安価で手に入らないこと、そして、仕事を失ってしまうことです。この2つの社会課題を解決するのが、インスタリムの3Dスキャン&3Dプリント技術です。義足との接合面を3Dスキャンし、その人の身体にフィットするオーダーメイド義足を、安価で提供することを可能としました。私たちは、インスタリムの技術が「歩ける」の先にある「働ける」までを生みだし、誰ひとり取り残されない社会の実現に貢献できると確信しています。ICJ2号ファンドからの投資に加えて、アジアを足掛かりとしながら、世界で医療事業を行う事業会社との協働を含めた経営支援を行うことで、「生きがい」と「働きがい」ある社会の創出に尽力して参ります。
企業概要
インクルージョン・ジャパン株式会社
所在地:〒141-0031 東京都品川区西五反田1-11-1 アイオス五反田駅前ビル903
代表者:服部結花
設立日:2011年11月11日
会社HP:https://www.inclusionjapan.com/
インクルージョン・ジャパン株式会社
インクルージョン・ジャパンは、事業会社にて事業立ち上げ経験のあるメンバーが、投資先のハンズオン支援に加えて、大企業のコンサルティングを実施する、日本でも類を見ないベンチャー・キャピタルです。事業立ち上げから経営支援、人事管理、クリエーティブ表現までを一貫して提供できる体制を整えており、幅広い事業規模と領域の事業創造と事業成長に貢献します。
ベンチャー投資では、2021年3月にIPOしたスキルマーケット「coconala」をはじめ、月面資源探索ベンチャー「ispace」やなどに投資をしており、経営層のよき理解者として、事業成長に尽力しています。