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書籍「仕事の強みの磨き方」を議論のきっかけとして、著者の吉沢が様々な方とディスカッションを行うシリースの第二回は、創業時からリブセンス社の成長を支える若き取締役、桂大介氏です。

今回は、桂さんならではの、難解な「問いかけ」を通じた周囲の巻込み方、および大胆な発想の転換へと繋がる方法について、話が深まりました。その鮮やかでクールな応用方法は、色々な方の日々の仕事にも応用できる内容となっています。

本記事のアウトラインです(読了5分)

1.「わかりやすくしない」というアプローチ

2. 不可解な「問いかけ」が持つ力

3.「問いかけ」によって形成される「発想力」という強み

4.「問いかけ」重視の桂さんが気になるのは「目の前の仕事への集中」

それでは、本編です。

質問

1.「わかりやすくしない」というアプローチ

吉沢「では、今回の書籍とも関連してですが、まずは桂さんの“強み”について教えて貰えますか?」

 

桂「なんだろうなあ・・・結果から考えると、僕はこの会社で部署異動を凄いしてます。最初開発4年、そのあとにマーケの立ち上げ、住宅部門、そして人事。それが今年の4月からですね。

それは、なんですかね・・・とはいえ、逆に、この人これはハマるけれどこれは向いていない、というのがある中で、よくも悪くも、なんていうんですかねえ・・・多分、どこにでも収まるということ、なんでしょうね。」

 

桂「とはいえ、じゃあ、たとえば人事にきて、人事の専門家にはならないですよね。人事を他社でやってきた人がパートナーにいて、僕がやっているのは、平たくいうと、カルチャー推進みたいなところですね。」

 

吉沢「では、最初に新しい役割を受けたら、新しい部署に行ったら、どんなことから着手するんですか?」

 

桂「必ず、自分で手を動かす余力を残しておきますね。今回の人事部で言えば、3つあるグループのうち、1つは自分。僕がメインでやっているのは、社内報、社内インタビューとか。

 

なんだろうなあ、自分が言って伝えるのは難しいじゃないですか。そこをなんか、最初は自分でやってみちゃう。」

 

吉沢「それによってもたらされる変化は?」

 

桂「ありますねえ〜。これまでは広報の人がやっていたが、自分としてはちょっと違うテーストを持ち込みたかったんですよね。そういうところは、説明しても解りづらいので、自分が実際に制作してみたんです。」

 

吉沢「(実際の社内報を見せてもらって)こだわり、めっちゃつよいですよね。」

 

桂「たしかに、そうですねえ。極論、読み手にウケるかどうか、考えてないですよね。個人的に書いているブログも、わかりやすくしようとか思わないで、やってます。

 

マーケティングブログとかも、バズを狙って書くではなく、こだわってつくりたいなと思います。インタビューにしても、ちょっと飛んでいるんですよね。」

 

吉沢「こういう行動特性は、いつ頃からですかね?」

 

桂「本をちゃんと読みだしてからかなあ・・・大学生、かなあ・・

 

そういう本が好きだったんですよね。漫画でも、火の鳥とか。

 

最近、何を勉強するのが面白いかなあ、と思っていて。

例えば、将棋って勉強するのが面白いと思うんですよね。定石があって、新しい攻め方を・・・。逆に、オセロって、4X4とか5X5とかは解明されていて、おもしろくないですよね。

 

あんまりわかりやすいものよりも、ちょっと自分の中で創造できるもの、

与えられた中から、新しいものをつくれるもの。

 

だから「余白」のあるものが好きなのかもしれません。

 

吉沢「社内報も、そういうスタンスで作ってるんですか?」

 

桂「そこまで難解でもないですが、それはありますね。」

 

吉沢「読んだ社員のみなさんの反応は?」

 

桂「いい、とは思っていても、ピンと来ているかどうかは、分からないですね。

2.不可解な「問いかけ」が持つ力

吉沢「そういえば、糸井重里さんの事務所では、“問いかけ”を大切にしているそうです。よい問いかけ投げられ、それを熟考することで、クリエイティブなものが生み出される。だから、どれだけ質のよい“問いかけ”があるかが、クリエイティビティには重要、という話ですね。」

 

桂「ああ、“問いかけ”ってありますね!

 

ビジョンって、答じゃなくて問いかけ。

 

「あたりまえを、発明しよう。」

 

というのが(リブセンス社の)ビジョン。そこで、「あたりまえ」をつくろう、ってことじゃなくて、「あたりまえ」ってなんだっけ?とか考え出すようなことですよね。

 

ビジョンが答になっていると、考えようがないんですよね。そうじゃなくて、問いかけ。それには、大きな答が書いてあるより、ずっと価値がある。

 

吉沢「過去にあった、インパクトある“問い”って、何ですか?」

 

桂「最近社内で、3人くらいの勉強会をやっていて、社会潮流の構造を学ぶ。

Blue Bottle Coffee(ブルーボトルコーヒー)って、なんでキテるのに、敢えて単一畑で作った豆とかじゃないの、とか。

 

そんな中で「きらきらネームってなんで流行っているんだろうね?」という問いかけが出てきました。

 

色々とこの問いかけをきっかけにああだこうだと考え、そして、”自身が親から授かったものとは違うものを子供に与えてあげたい”、という気持ちからきらきらネームを付けるのではないか、という観点が出てきました。」

 

桂「ちなみに、テーマは、持ち回りで決めています。「きらきらネーム」っていうのは、僕が気になっていて、不可解だからこそ、そういう問いかけをしてみました。

 

吉沢「不可解なものに興味を惹かれますか?」

 

桂「そうなんですよ!

アート。不可解じゃないですか。

金沢21世紀美術館にこないだ行ったんですけどね。こうですよ、という掲示はまったくなくて、すごい問いかけの連続になっているんですよね。」

 

吉沢「アートに解釈が出てくるんですが?」

 

桂「そのものに対する答は出てくるわけではないですが、自分がやっていることに対する刺激を受けます。」

 

吉沢「ビジネスの問いかけと、アート的な問いかけの関係は?」

 

桂「時間的には、ビジネスの問いかけを考えることが9割。でも、ビジネスの問いかけだけに取り組んでいても、飛躍的に成長しない。

僕がやっていても、他の人がやったほうがいいというのがある。自分でしかできないものとか。」

3.「問いかけ」によって形成される「発想力」という強み

吉沢「“なんでそういう発想になるんですか?”と、周りから言われることってあるんじゃないですかね?」

 

桂「そういう意味では「発想力」ですかね。

ただ、なんでそうなるか、というのではないんですよね。

 

最近だと・・・社内向けに、こんなサービスを立ち上げました。

 

ブックリストというサービスで、例えば「統計家が勉強するために」というリストを、統計に詳しい社員が、統計を知らない社員向けにつくる、というものです。

で、このサービスには“「モノリンガル」から「マルチリンガル」へ”

という(ある種不可解な)表題が付いています。サービスの仕組み、HowToというところは、至ってシンプルなんですけれど、表題に問いかけが入っています。」

 

吉沢「サービスを導入しての変化は?」

 

桂「ありましたね。専門領域の人に対して、そうでない人がリクエストをして、という連鎖が起きるようになりました。」

 

桂「このサービスを思いついたのも、いくつかの過去の問いかけや記憶がつながって、生まれてるんですよね。“知の高速道路”、“学習の高速道路”という羽生さんの昔の話とかが、今になっても頭に残っていたんじゃないですかね。

 

このブックリストに関して言えば、教育、エンジニアリングを勉強していたら、課題を与えてやらせて、あとは適切な教科書を与えればそれでOKという経験が背景にあります。そのセレクト、タイミングが初心者はできない。それをエキスパートが選んであげれば、そこには学習の高速道路ができるはずです。」

 

吉沢「その話題でいけば、実は“本を選ぶスキル”って大切じゃないですか?」

 

桂「本って、一杯、目を通すんですよね。ばーーーっと買って並べて、ざっと読んじゃって。ちゃんと読むのは、そのうち数冊なんですよね。」

 

桂「最終的に、難しい本ですよね。選ぶのは。難しい本って、それが発想のきっかけになるかが大きい。

 

吉沢「僕も、“難しい本”ということについては、ちょっと一家言ありますね。基本的に、簡単な本というのは、自分の思考や自分の今持っている観点と近いものだから、サラサラと読めるわけで、自分を元気付けたり、パワーをもらったりすることが多い。

一方で、難しい本というのはつまり、自分がまだ持っていない観点、物事の捉え方をベースにしていることが多いので、得られるものが大きい。ただ、とても読むのに骨が折れるし、読み飛ばすと肝心の“知らなかった観点”をちゃんと捉えられなくなるので、難儀なんですよね(笑)。」

4.「問いかけ」重視の桂さんが気になるのは「目の前の仕事への集中」

最後に、桂さんと少しだけ、書籍の議論について印象に残った部分をお聞きしました。

 

桂「第8章の部分(目の前の仕事に集中できることの重要性に関して)ですが、おっしゃるとおりだな、というのと、逆に、人が仕事に集中できないのは何故ですかね?みんな、集中したいと思うんですけどねえ・・・」

 

吉沢「それは、例えば子育ての場面などにも、原因があるかもしれない。子どもが一生懸命何かに集中しているときに、親が“ちゃんとこっちの話を聞きなさい。まずは片付けをして、それからそれをやりなさい”などと続けると、子どもは一生懸命何かに集中するという才能が削がれていったり、集中することそのものを良しとしなくなったりするのかもしれません。」

 

桂「なるほど。コードIQというプログラマー向けの課題提示サービスがあって、そこに課題を流した時に、いちばんいい回答をしてきた人がいて、

凄い!と思い、実際に知ってみると高校生だった。ずば抜けてよい、と。採用につながらないけれど、会いたいと思って、会いました。お聞きすると、お母さんが、そういうのに没頭することにちょっと抵抗があるようで・・・。

僕からしたら、こんな逸材は、これをやらせればいい!そういう思いをした次第ですね。」

5.今回の対談をふまえて

いかがでしたでしょうか?

上記の通り、桂さんが提示した「問いかけ」に関する下記のポイント

・「答え」ではなく「問いかけ」 をつくる

・アートは最高の「問いかけ」

・「問いかけ」にじっくり向き合う姿勢と時間の確保

といったあたりは、多くの方にとって、仕事上で応用・転用が可能なのではないかと思われます。

そして同時に、色々な情報がひっきりなしに入って来て、様々な人とのインタラクションによって、自分の時間が細切れになって、という現代の環境の中では、こうした「問いかけ」を収集し、「問いかけ」と十分に向き合い、「問いかけ」から最高のインスピレーションを生み出すという時間が決定的に不足しているのかもしれません。

「問いかけ」の持つ応用力、あなたの仕事には、何かお役に立ちそうでしょうか?

 

それでは


桂氏が、この不可解な問いかけを投げ続けるリブセンス社、ここが面白そうだなあ〜とお感じになられましたら、ぜひ下記のURLよりご応募されてみてはいかがでしょうか?目黒の大変素敵なオフィスも、魅力的かと。

▼本記事に登場したリブセンス社の採用URL

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