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この記事は、世界のTOP10MBAにランキングされる、バルセロナIESEの学生ビセンテが、ベンチャーキャピタルであるICJに、2025年7月1日-31日までインターンとして活動している期間に執筆している一連の内容となります。

今回はまず、記念すべき第一回記事として、2025年7月14日に開催された100名近い参加者での「伊藤羊一:サーチファンドイベント」から得られた刺激に触れています。


まさか私が初めて書く記事が、横浜のホテルのロビーで、外で土砂降りの雨が降る中、美しい磁器のカップでコーヒーを飲みながら書くことになるとは思いもしませんでした。以前からこれを始めたいと思っていましたが、どこから、あるいは何について書けばいいのか、はっきりとは分かりませんでした。しかし、ついにプライベートマーケット投資の世界への参加者(そして、より重要なことに、観察者)としての私の考察を少し共有しようと決心しました。

さて、まず私を突き動かしたのは、なにか転換点を目の当たりにし、体験しているときにしか感じられない、エネルギーに溢れる場の空気でした。下記にある、伊藤羊一氏をお招きした、ICJ主催の「サーチファンド」に関するイベントです。

それはまるで、春の始まり、今まで見たことのない食材を口にして、瞬時にお気に入りになるような感覚とも言えるでしょう。

日本のサーチファンド界の現状を目の当たりにできたことは、まさにそのような感じにほかなりませんでした。

サーチファンドとは何か?と疑問に思う方もいるでしょう。

簡単に説明すると、サーチファンドという手法は「買収による起業」の一形態です。

起業家を志す者が、戦略的投資家グループから資金提供を受け、2年間かけて事業承継する企業(通常は安定した中小企業)を探し、次のレベルへと引き上げるというものです。非常にシンプルなこの仕組み、「サーチファンドモデル」と呼ばれることもあります。

私はスペインのMBAであるIESEの学生として、インクルージョン・ジャパン(ICJ)での夏期インターンシップにやって来ました。答えを見つけるべき、2つの問いを携えて。

 

  • なぜ日本ではまだサーチファンドが本格的に展開されていないのか?

 

  • 本格展開するためには何が必要なのか?

 

これらは、イノベーションを起こし続け、プライベートエクイティとベンチャーキャピタルの業界が25年以上にわたって栄えてきた日本という国において、重要な疑問です。

 

今週、これらの問いへの答の一部が、先ほど紹介したICJの主催したイベントで明らかになり始めました。

このイベントには、投資家、起業家、現役および将来のサーチャーを含む80名以上のプロフェッショナルが集まり、参加者の記憶にこのモデルを植え付けるという、非常に明確な目的で開催されました。

私がこれから一連の記事で書いて伝えようとしていることは、このイベントの開催報告や、サーチファンドの仕組みといった、単純な内容ではありません。実際、そんなことをしても、意味がないと実感できました。

イベントは完全に日本語で行われ、AIツールは(まだ)リアルタイムで理解するには至っていないからです。しかし、一言も理解できなくても、私のように、参加者のほとんどが感じたであろう、日本におけるサーチファンドの計り知れない可能性を察知することができました。

パネルディスカッションとその後の議論は、最先端の技術を重んじる日本らしく、AIツールを活用したスタイルで進みました。

参加者同士の議論はリアルタイムで録音され、編集、要約され、後半のセッションにて、その内容を読み込んだGPTとGeminiを、進行役のICJ吉沢さんが活用することで、様々な情報が提供され、伊藤羊一さんによる、活発な議論と解説が行われました。

 

そこから、私は3つのシンプルながらも、鋭い考察を得ました

 

1:人工知能が望むだけの情報を提供してくれる世界において、ビジネスやアイデアを実行することそのものが、真に差別化をもたらす

2:ICJが標榜している通り、サーチファンドモデルと、ベンチャーキャピタルモデルは、相互に関係し、1つのエコシステムを形成することができる

3:日本には、すでにサーチファンドが興隆を極めている欧米市場とはまた違った特性がある。最終的に、企業はそこで働く人々によって成り立っており、これを理解する感性と、それに立ち向かう気概が、どんな学位やMBAよりも成功の鍵となる

 

以上を踏まえて、なにより必要とされているのは「始めること、着手すること」です。十分な情報や文献は、海外からもたらされており、 AIが教えてくれます。人間にしかできないことは「始めること」だと、私は考えます。

私の今後の記事では、この「始める」ための材料として、上記の3つの考察内容を詳しく紹介し、そこから生まれてくるチャンスについて、触れていきます。