ベンチャー・キャピタルであるインクルージョン・ジャパン株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役:服部結花、以下インクルージョン・ジャパン)は、転んだときだけ柔らかくなる床とマット「ころやわ」の製造と普及を通じて、転倒骨折ゼロ社会を目指す床イノベーション企業 株式会社Magic Shields(本社:静岡県浜松市、代表取締役:下村明司、以下Magic Shields)への出資を実施いたしました。また、インクルージョン・ジャパンの取締役である村上大輔が社外取締役に就任し、事業成長を支援します。

インクルージョン・ジャパンは、SDGs(持続可能な開発目標)の担い手としてベンチャー企業に注目しており、ICJ2号ファンドを通じて、SDGsの達成に寄与するベンチャー企業の株式への投資を進めています。投資先の事業を通じた社会・環境面のインパクトと経済的なリターンを両立させるため、投資先のESGマネジメントも重視し、よりよい社会の実現に向けた協働を目指しています。

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【Magic Shieldsの詳細】

Magic Shieldsは2019年に設立された、自動車工学と医学をベースに新素材と構造「メカニカル・メタマテリアル」の研究開発、および製造・販売を行うスタートアップです。世界で増加している高齢者の転倒による骨折を減らすため、Magic Shieldsは転んだときだけ柔らかい「可変剛性構造体」を使った「ころやわ」を開発し、床やマットとして病院や高齢者向け施設へ提供しています。

高齢者の転倒骨折は、骨折したご本人やご家族、医療機関・介護施設だけでなく、社会保障費を負担するすべての人にとって、大きな負担となっています。大腿骨骨折だけでも、ご家族の看護や介護負担と社会保障費を合わせ、その損失は年間約2兆円に上るとされています。日本国内だけでも毎年100万人が転倒骨折し、その数は2000年以降、約2倍に急増しています。高齢者の転倒骨折は、「要介護」となる大きな原因のひとつなのです。

これに対し従来は人手を用いて「転ばせない、一人で歩かせない」対策が行われてきました。しかし見守りや付き添いができる看護師や介護士、同居の家族は不足しており、完全に転倒を防ぐことは難しいのが実情です。また「転ばせない、一人で歩かせない」ことにより、認知症など他の病気の進行や、心身が衰弱していく負の連鎖が発生し、悪循環となっていました。

Magic Shieldsは 「すべての人が骨折を気にすることなく、自分の意思で自由に動ける」社会を実現することで悪循環を断ち切り、日本国内をはじめ、世界中で「大腿骨骨折が原因で『寝たきり』になる人をゼロにする」ことを目指します。
【代表取締役 服部結花のコメント】

日本は社会の高齢化が進んでいます。そこで大きな課題になっているのが、高齢者による転倒骨折です。短い距離でも転んでしまうことで、骨折に至り、寝たきりになってしまう。そのことにより、高齢者を支えるご家族や医療従事者の負担が増えるだけでなく、医療費が増大する一因にもなります。転倒骨折が社会のウェルビーイングを棄損しているのです。

こうした社会課題を、床へのイノベーションによって解決するのがMagic Shieldsです。歩きやすい硬さにもかかわらず、転んだときだけ柔らかくなる、いわば「あり得ない特性」を兼ね備えた「ころやわ」の開発と販売を行っています。メディアでも注目されており、病院をはじめとした医療機関や高齢者施設への導入が加速度的に伸びています。 Magic Shieldsが目指す「転倒骨折ゼロ」「寝たきりゼロ」社会の創出に向けて、尽力して参ります。
【取締役 村上大輔のコメント】

このたび、Magic Shieldsの社外取締役に就任する運びとなりました村上大輔です。転倒骨折のリスクを軽減し、健康寿命の延伸に貢献するMagic Shieldsの挑戦を後押しすることができ、とても嬉しく思います。 転倒骨折を回避しようと行動範囲が狭くなること、周りで見守る方が常に緊張を強いられている状況がころやわによって転んでも大事に至らず、より安心安全な生活を過ごせる未来が目に浮かびます。これまで小売業やサービス業の経営に関わってきた経験を活かして、顧客体験価値の最大化に向けて、全力で支援してまいります。